会社設立をするときに覚えておきたい機関設計

機関設計を行うことの大切さ

●機関設計とは会社をどのようなスタイルで運営するか決めること

会社設立においては「経営に関する物事を決めること、そして決めたことをきちんと遂行すること」「遂行すべきことが正しく遂行されたか入念にチェックする」といった機能が必要不可欠です。このような機能が正しく働くようにするのが機関の役目になります。

株式会社を設立する場合は、会社に関わる物事を決定する機関に株主総会があります。そして、遂行する機関として取締役会・取締役、正しく遂行されたかチェックする機関としては、監査役会・監査役などがあります。

従来は、この機関のあり方についてはほぼ一律で強制されてきました。しかし、会社法が施行されてからは30種類以上もの機関設計のパターンがあり、その中から会社を設立する経営者自身が、もっとも適切と思われるものを自由に選ぶことができるようになりました。

つまり、株式公開の意思の有無や、会社の規模の大小、会社経営に関するポリシーなどを勘案することによって、その会社に合う機関を設置することができるということです。「機関設計とは、自分の会社をどのように運営するのか、決定することである」と思って良いでしょう。ただし、部・課・事業部などは会社の部署であり、会社の機関ではありません。

●譲渡制限会社は簡易的な機関設計ができる

譲渡制限会社は、簡単に言えば「会社の株式を売買・贈与など譲渡する際に、取締役会の承認を要するといった約束事が定款に記載されている株式会社」のこと。会社の経営において、不適切と思われる相手や敵対的な相手が株式を取得して経営に関わり、会社の存続を左右することを防ぐための手立てのひとつと考えられます。

このような制度は、会社法が施行される前からすでに存在していましたが、会社法が施行されて改めてクローズアップされるようになりました。譲渡制限会社として会社を運営する場合は「監査役を置かなくても良い」「取締役会を設置しなくても良い」「取締役が1人以上いれば良い」というように、簡易的な機関設計を選ぶこともできるようになりました。

役員の任期については、従来は取締役が2年、監査役を置いた場合は4年でしたが、譲渡制限によって、監査役も取締役も10年まで延長可能に。また、株式の譲渡を制限することによって、シンプルな機関設計が実現。安定した経営、そして機関を維持するためのコストや手間が省けるといったメリットをもたらしています。

ただし、上場を図る株式会社においては、このような制限を設けることはできません。その理由は、上場審査が実施される段階で、株式に譲渡制限が付されていないことが要件となっているからです。

●会計参与制度の導入について

新会社法の施行により、新たに会計参与という機関が登場しました。しかし、この機関を必ず置かなければならないという決まりはなく、置くかどうかは自由に決めることができます。「会計参与」は聞きなれない言葉かもしれませんが、会社の計算書類の作成などの職務に関わる機関で、税理士や公認会計士、監査法人のみが就任することができます。

会社の計算書類には決算に関する書類などがあり、これを作成する専門的な機関として会計参与が設置されることになります。これによって、監査役を置いていない会社の信頼度をより深めることを目的としています。


 

会社設立@名古屋 責任者

衣川匡之