26.現物出資

自動車・不動産など、金銭以外の財産を出資することを「現物出資」といいます。

現物出資をする場合は、必ず定款に記載しておかなくてはなりません。
現物出資をする場合、裁判所に検査役を選任してもらって、その現物出資財産の調査をしてもらわなければなりません。
これには、多くの時間と費用がかかります。
現物出資は避けるか、現物出資であっても検査役が不要な500万円以下におさえると良いでしょう。
金銭出資と同時に現物出資財産を引き渡すことになりますが、実務的には、現物出資された財産の名義変更は、会社の登記事項証明書を添付して行う事になるので、会社設立後に行う事になります。

金銭以外の現物を資本金にすることができます

・500万円以下であれば検査役等の調査が不要
 資本金は金銭で出資するのが原則ですが、金銭以外の車両などの現物を出資して資本金に充てることができます。
 現物を出資する場合には、現物がいくらの価値があるのかという評価が重要になります。価値のないものを価値があるものとして出資を受けると、名ばかりの資本金で会社が設立されます。それでは困りますので、出資財産の適正な財産価格を評価するために裁判所で選任された検査役の調査や、弁護士や公認会計士や税理士などの財産評価の証明が必要になります。
 ただし、出資した現物財産の総額が500万円以下であれば、検査役の調査や公認会計士などの証明を省略することができます。

・500万円を超える場合
  現物の財産価格の総額が500万円を超える場合には、検査役の調査や、弁護士や公認会計士、税理士などの評価の証明が必要となります。
 さらに、不動産を現物出資する場合には、弁護士や公認会計士、税理士などの証明のほかに、不動産鑑定士の鑑定評価も必要になります。
しかし、財産の総額が500万円を超える場合でも、上場企業の株式をその市場価格以内で現物出資する場合や、会社に対する貸付金などの金銭債権を現物出資する場合には、検査役の調査や公認会計士などの証明も必要ありません。

・現物出資ができるもの
原則は、現物として譲渡可能なもので、貸借対照表に記載することができるものとなります。例えば、パソコンや事務机、有価証券、不動産、車両、商品などがあげられます。
数万冊の書籍を現物出資する場合や、個々の現物資産の特定が難しい商品在庫などでも、店舗名や現物の管理番号などで現物出資財産を特定することができれば現物出資することができます。
  しかし、不動産賃貸借の敷金や保証金は、一定の時期が来るまで金銭の返還がされないという理由から、現物出資の対象とするは難しいようです。

・評価はどのようにしたらよいか
現物出資する財産の評価は適正にしなければなりません。
出資する現物の評価が不適当であると、会社の基本的な財産である資本金自体が空洞化してしまうからです。
そこで会社法では、適正な評価で財産を受け入れなかった場合には、発起人や設立時の取締役に対して、定款に記載された価格と実家の価格との差額を補填することとしています。
現物財産の実務上の評価は、市場価格があるものについては、その市場価格を使います。また、中古車両の場合には、中古車両の取引相場を調べてその価格を評価額とすることができます。中古のパソコンなどでも同様で、中古の相場価格を評価額とすれば問題はないようです。
なお、もともと個人事業していた方が法人成りをするような場合には、個人事業で申告していた帳簿価格を現物財産の評価額とすれば問題はありません。

・資本金は常に会社に残しておかなければいけませんか?
資本金は常に会社にお金としてなければならないものと思っている方がいますが、資本金は会社を運営での事業資金なので、自由に使うことができます。
なので、会社で必要な備品の購入や、役員や従業員への給与として使って問題ありません。

 

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